【スペイン/サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道】カミーノ巡礼に挑戦して巡礼証明書をもらおう!!
こんにちは小野Tです。
皆さんはカミーノ巡礼という言葉をご存じですか。
キリスト教の三大巡礼地をめぐる旅の中でも、スペインのサンティアゴ=コンポステーラへの巡礼路をカミーノといいます。
(カミーノという言葉自体はいろんな意味で使われますが無視します。)
キリスト教の聖地巡礼はここ。三大聖地+αで訪れたい場所 | tabiyori どんな時も旅日和に
2018年の8月、私はその巡礼への旅へと向かいました。
サンティアゴ=コンポステーラってどこ?
はい、場所はスペイン北西部になります。
こちら、イベリア半島。
おっと失礼。見間違えました。
野原ひろしのチリ毛の前方部分ですね。わかりやすい。
古来の巡礼ではピレネー山脈沿いを歩くというそれはもう過酷な巡礼路だそうです。
巡礼のルール
首都マドリードからゴールとなるコンポステーラまではもちろん鉄道や空路も通っていますから、頑張れば日帰り旅行も可能です。
本来巡礼とは、信仰心を満たすものですからそれで充分なのですが、にわかに注目を浴びているのがクレデンシャルと呼ばれる巡礼証明書が発行されることです。
ただし、これには条件があります。
それが、100キロ以上自分の足で歩くことです。
このルールがあるため、いくつかの巡礼路が整備され巡礼者用の宿であるアルベルゲが置かれています。
というわけで私が歩いた最もメジャーなルートを紹介します。
サリア~サンティアゴ=コンポステーラの道(約120Km)
このルートが観光客用で最もポピュラーなルートとなっています。
サリアへの行き方はバスがおすすめ
まず、マドリードからサリアへ向かう必要がありますが当時調べた限りでは直接行く方法はありません。
なので、バスで近くのルーゴという町まで行って、サリアに向かう方法がいいと思います。
正確にはルーゴ県のなかにサリアという小さな町があるんですが。
ちなみに鉄道による移動も可能なのですが、選ばなかった理由はシーズンにはチケットを取るのが困難なことと(これは私に計画性がないだけですが・・・)スリが多いという評判を聞いていたからです。
マドリードからルーゴへ
バスも鉄道もRENFE(レンフェ)と呼ばれる鉄道会社から出ています。
スペインを鉄道で旅行する人はこのサイトには結構お世話になるはずです。
↓
https://www.renfe.com/EN/viajeros/index.html
しかし、当時はクレジットカードが使えないとか色々不備が多かったので事前にチケットを抑えることができませんでした。
そして、この画面が結構トラウマで・・・。
質問を入力しても意味不明な日本語で返信され、スピーカーで何度も質問をぶつけても
お前の日本語意味わかんないんだけど( *´艸`)
みたいな返答をされてPCの画面をたたき割りそうになったのもいい思い出です。
ルーゴからサリアへ
ルーゴからサリアまではMonbus社のバスを利用します。
会社のサイトはあるのかないのかわかりませんが、Facebookに日本人巡礼者用のページがあるので貼っておきます。ここなら日本語で質問がしやすいかと思います。
↓
https://www.facebook.com/monbusviajeros/
私の場合は夕方にマドリードを出発して、深夜にルーゴからサリアまでバスに乗り換えました。たぶん。
寝ぼけていてあまり記憶がないですが、バスステーションで飲んだコーヒーの味だけ覚えています。結構寒かった。
これらは旅行代理店を通して確保することも可能なので、綿密な計画を立てたい方はそのやり方がいいと思います。
サリアで巡礼手帳をもらおう
さて、バスを降りると他の巡礼者(登山姿の人はみな巡礼者)の流れに乗って歩き始めます。
正直これが巡礼の始まりなのか?と疑いながら始まります。
しかし、サリア市街地の外れに教会があり、ここで100㌔以上の巡礼を証明するための手帳がもらえます。
これを道中の教会やお土産屋でスタンプを押してもらいながら進んでいきます。
これを手にすると一気に巡礼に来た実感がわいてきます。これは結構楽しいです。
巡礼スタート!!
教会でクレデンシャルを取得し歩き始めます。
Camino de Santiago (サンティアゴへの道)がいよいよ始まりました。
数百メートルおきに道標が置かれています。このホタテのマークがカミーノの目印です。
序盤は小麦畑沿いにひたすら進みます。
途中、お土産物屋で最初のスタンプをもらいました。
その後も、ひたすら歩き続けます。
ゴールするころにはどれほどのスタンプがたまるのか。
普段海外旅行でこんな道歩かないですよね。
すでに10キロほど歩く。メンタル的に早く100㌔を切りたい。
のどかな田園の中をひたすら進みます。まだこの時は笑う余裕があったな。
社会人になってこんなに悠々と歩き続けたことはあっただろうか。
これまでの巡礼者たちがメッセージやらを残したりしています。
その中の1人になってることが嬉しい。
時刻は昼過ぎ、大きめな集落が見えてきました。今日はここまで。
初日はポルトマリンというところで宿(アルベルゲ)に泊まります。
清潔そうな外観が気に入り、ここに決めました。
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初日はこのくらい距離もそうですが60階分の上り下りがあったことにびっくり!
多少筋肉痛はありますが、とにかく先を急がないといかん!
活動時間について
カミーノでは巡礼で歩ける時間は昼頃13時までです。
一番の理由は、アルベルゲを確実に押さえるためです。
どういうことかというと、スペインにはある風習があるからです。
それが、シエスタの文化です。わかりますか?
昼寝ですね。夕方ごろまで昼寝するのでお店も宿も全部閉まってしまいます。
昼寝の重要性は日本人が考えるものとは全然違うので、相手の文化に従いましょう。
なので可能な限り朝早く出発し、昼頃を目途に宿を押さえることが基本になります。
その後は荷物を置いてスーパーやバルに繰り出して食事をします。
本当に節約したい人は共有のキッチンで自炊するといいと思います。
巡礼2日目
6時過ぎに宿を出て、歩き始めます。太もも辺りに痛みがありますが、体があったまってくると気になりません。
時期は8月ですが、朝はかなり冷えるので長袖は持っていくべきですね。半袖短パンで歩いているのは私たちだけでした。笑
霧が立ち込める中、出発しました。
1時間ほど歩いた場所で朝食をとりました。なんと健康的!
生ハム最高!!
この次の年にまさかイスラームの洗礼を受けるとはこの時は想像もしていませんでしたね。
興味のある方はこちらの記事もぜひ。
その後は、ひたすらに歩き続けます。
見慣れた景色でありますが、気分はいいです。
中には馬での巡礼者も。一応規定では馬もOKみたいです。ずるいぞ!
途中さびれた教会が結構あります。冒険してる感が高まります。
2日目の拠点となる街に着きました。(名前は忘れた)
その後、宿をとってスーパーで買い出し、チーズにワイン。最高!!
2日目の成果。我ながら頑張った!!
しかし、このころから右足首の痛みが尋常ではなくなってきました。体が温まると多少ましですが、冷えると動かすこともままなりません。
不安を抱えたまま朝を迎えました。
巡礼3日目
日の出前に出発!
残り60㌔!約半分です。・・・あと半分( ;∀;)
距離は置いといてサンティアゴのあるガリシア地方に入ったことに感動!
ここまで来たら絶対に最後まで行ってやる!
この景色だけが心の癒しです。
その後、本日の拠点に到着。
もう体はガタガタです。
食べるしか楽しみがないのでビールとパエリア!最高!
3日目にして最長記録。もう黙々と歩き続けました。
料理人とヤク中ドイツ人との出会い
この日泊まった宿の屋上はフリーな食事スペースだったのでいつものように生ハムとワインを買い込み飲んでいたのですが、そこで、スイスで寿司バーを経営する日本人と仲良くなりました。
彼の部下にはイタリア人・ドイツ人・フランス人がいるらしく、仕事の命令について国民性を理解して接しないとすぐやめてしまうらしい。
特にイタリア人は言い訳から入るし、それを聞いてあげないとすぐバックレるという話は爆笑しました。
そんな彼の知り合いのスキンヘッドのドイツ人もぶっ飛んでました。
ウイスキーを原酒でラッパ飲みするドイツ人は日本についていろいろ質問してきました。
日本人は働いてばかりで生きてて楽しいのかい?
日本人は英語が使えないけど学校では英語を教えてるの?
ご最もな質問ですが、気になったのはドイツ人の眼光が異様にギラギラしていること。
タバコを吸いながら話してるのですが、ちょっと様子がおかしい・・・。
「彼が吸ってるのはマリファナだよ」と日本人料理人。
ま、まじか・・・。
しかし、その料理人も一口くれといってマリファナをパカパカ・・・。
「全然依存とかないから大丈夫だよ」と言いながら吸うのですが煙を入れた後に白目になってるんですが・・・。普通じゃねえだろ。
しかも、その後もドイツ人に戻すことなく自分でパカパカして、完全に依存してるじゃねぇか!!
吸い終わった後も終いには「ちょっと買ってくる」とか言ってどっか行っちゃうし。
中々インパクトの強い出会いでした。
( ゚Д゚)<私はやってませんよ!!
でも実際海外での薬物の扱いって本当に軽いなって思いますね。
そんな感じで夜中まで飲み続けました。ふと夜空を見ると満天の星。
あの夜空の美しさは忘れられないですね。
それからもう一つ心に残っているのは寿司職人が言うにはここ最近は日本人のカミーノ参加者が少なくて、中国・韓国勢がこぞって来ているそうです。
そして、彼らのマナーがよくないのでヨーロッパの巡礼者は非常に迷惑していると。
料理人としては食事の時にキムチを食べだす韓国人には頭に来ているらしいです。
「だからお前ら学校の先生なんだから生徒たちに海外に出るように言ってくれよな。」
そう言い残して彼はマリファナを買いに行ってしまいました。笑
確かにそうなんですよ。実際宿のある街に着くとハングルや中国語の看板はあるけれど日本語の看板はほとんどありませんでした。
そうすると例えば、ホテルなんかも気を使って部屋のテレビを日本製ではなく、SUMSUNやLGに変えていくわけですよね。
つまり、我々が海外に旅行に行くことが巡って日本のメーカーを救うことにもなるってわけですね。
これは、結構前から感じていたことです。東南アジアなんかも同じ現象が起きてますもんね。
というわけで、コロナ騒動が落ち着いたらバンバン海外に出ていきましょう。!!
ついにサンティアゴへ
さてこの日も日の出とともに歩き始めます。もう右の足首は死んでいます。
ゾンビのように、それでも一歩ずつゴールへと進んできます。
残り34㎞・・・。日程的には2日に分けもよいのですが。
絶対に今日ゴールしてやる!!
自分でもよくわからない熱意がこみ上げてくるのです。
天気も良く体もあったまってくると足取りも軽くなってきます。
どんどん進む・・・。
なんかこれもまた青春だな・・・。
そしてついに!
これは通称ヤコブの塔と言われるもので、ローマ教皇がこの地を訪れたそうです。
そして、この塔の先にサンティアゴが!
進む・・・。
ついに!!
街の入り口に到達。
ここから市街地を進んでいきます。ここから10Kmほどあった気がします。
しかし、気持ちはもうゴール目前。否応にも気持ちが高ぶります。
そして、ついにサンティアゴのカテドラル(大聖堂)に到着!!!!!!
やったーー!!!
この日常では味わえない充実感!達成感!!あきらめないでよかった!
しばし、広場で座り込んでいると2人組に話しかけられました。
右側のグラサンのおっさんとそのマイクを持ったアシスタントです。
どうも地元メディアの取材のようです。
YOUは何しに巡礼へ?って感じの質問をいくつかされました。
もうヘトヘトなところに追い打ちのようにスペイン語訛りの英語なんで苦労しましたが、なんとかうまく切り抜けました。
巡礼証明書をゲット!!
さて、しばしの休憩の後にお目当ての巡礼証明書をもらいに行きます。
場所はカテドラルから歩いて3分くらいの教会です。もうここまで来たら巡礼者ばかりなので行けばわかります。(テキトー)
30分ほど並んだ後に受付でスタンプの押されたクレデンシャルを渡して発行されます。
下のほうを見ると、サリアからの118Kmとあり、このルートを「カミーノフランセーズ」、フランスの道と呼ぶそうです。右下に書いてありますね。
こうして、無事に巡礼終了。
個人的にはローマ・イェルサレムとカトリックの三大巡礼地を網羅しました。
反省
ということで無事に巡礼を終えることができましたが、やってみての反省事項をいくつか。
・時期は気候的に9月以降がおすすめ。8月の昼間は結構暑いです。
・日程はせめて1週間は取りましょう。15Kmくらいをゆっくり歩くぐらいが楽しいと思います。中1日くらいは休んでもいいと思います。
・荷物はホントに最小限にしましょう。もう汗臭いとかどうでもいいんで。
最後に
カミーノ巡礼に興味を持っていただけたでしょうか。
中々海外旅行でこれをやり切った!みたいなことって少ないと思うんですが、カミーノはとにかく達成感がすごいです。そして、人との出会いやすれ違う人も気さくに挨拶してくれますし、同じゴールを目指す仲間としての一体感も結構あります。
最後に、巡礼に必要な最低限の挨拶だけ教えておきましょう。これさえ言えればカミーノに参加できます。
ブエン・カミーノ!!(良い旅を!)
お読みいただきありがとうございました。
他にも役に立ちそうなリンクを貼っておきます。
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