【どうしてこうなった?】エジプト旅行記②~ぼったくり対策してたらカーチェイスに巻き込まれた話~
こんにちは、小野Tです。
さぁ、エジプト編の続きを話しましょう。
前回の記事をお読みでない方はこちらからどうぞ。
↓
各交渉がうまくいかない件
さて、その後も、移動はタクシーを使うのですが、
ここで日本人旅行者がであう最初の難関が値段交渉とぼったくりですね。
前回説明した通り、気まぐれでタクシーに変身するのでメータータクシーなどほとんどないので言い値での運賃になるわけです。
そこで、値段交渉を行わなければならいのですがこれがなかなか思うようにいきません。
ガイドブックには「最初に言われた値段の10分の1が現地価格」とあったので、その通りに10分の1を要求してみますが怒られます。
せいぜい2割引き程度が限界でした。
それでも、物価の関係で言えば、日本でタクシーに乗るよりかははるかに安いんですがね。
だが、悔しい。
何か良い方法はないだろうか。
そんなことを考えながら、夜にカイロのはずれからホテルに戻るタクシーを探していた時のこと。
言い寄ってきたタクシー運転手が一向に値引きに応じないので、さすがにキレて
「もういい!ほかのタクシーにする!!」
といってその場を立ち去ると
「ごめんよー、さっきのは冗談さ。君の言う通りの値段で乗っていいよー。」
と初めてこちらの希望の値段で乗れたんですよ。
なるほど、これだけタクシーであふれてるんだから急いで決めずに何台か比較すればいいのか。
思い返せば簡単なことなんですが、昼間の暑さもあって早く乗りたいという気持ちで冷静な判断ができていませんでした。
そんな、教訓を得て次の日を迎えました。
いざ、ピラミッドへ。
その日は少し朝遅めに出発し、うだるような暑さの中タクシーを捕まえようと試みます。
目的地はピラミッド。エジプトといえばですよね。
我々がテレビで見るピラミッドはカイロにはなく、いわゆる「ギザの三大ピラミッド」ってやつですね。ですから、これまでで最も長距離の移動となります。
こんな感じの位置関係です。直線距離にすると歩いていけなくもないんですが、タクシーだとハイウェイを使って向かいます。
距離にして25Kmくらいでしょうか。
さて、いくらが妥当か。
これは、慎重に値段交渉する必要があるな。
歩き始めるとさっそく1台目のタクシーが横に停まります。
正確には有象無象の車の群れがクラクションで我々を呼び止めるとんでもない状態なんですが、ややこしいので無視します。
その1台目の運転手はあごひげを蓄えた白髪のおじいさんでした。
「ジャパニーズ!乗りなよ!どこに行くんだい??」
行き先をピラミッドと伝えるや否やじいさんの目が鋭くなりました。
たぶん、ぼったくりチャンスと確信したんでしょう。
で、先にお断りしますが、10年前のレートは覚えてないので
現在のレート(1エジプトポンド=6円)に置き換えて話をさせてもらいます。
さらに日本円への換算も大体なので細かいことにぶつぶつ言わないでくださいね。
話を戻して。
じいさん運転手の最初の提示は1500ポンド。(約9000円)
その後、1000ポンドまでは簡単に値切れましたが、それ以上には難色を示し文句を言ってきます。
まあ、6000円くらいで高速道路で20キロですから別にいいかなとも思うんですが、先の旅費のこともあるのでここは切り詰めたい!!
そこで、昨日学んだことを実践します。
「もういいよ。ほかのタクシーにお願いするわ。さよなら。」
さぁ、これで交渉を有利に進めるんだ。
横目でじいさんをとらえながら反応を見ると、呆れた顔をしてそのまま行ってしまいました。
あれ?うまくいかないか・・・。
と、しばらくそのタクシーを目で追いかけていると、一つ先の交差点でUターンしてるじゃありませんか!
そして、こちらに対してジェスチャーで「待っててくれ」と手のひらで合図しています。
来たぜ。よっしゃ。
しかし、渋滞の通りをUターンして、私たちのもとに来るのに結構時間がかかるわけです。
すると、別のタクシーが私たちに声をかけてきました。
2代目のタクシーは若いお兄ちゃん運転手でした。
「よう兄ちゃんたち!タクシーどうだい?安くするよ!」
かなりノリのいい感じです。
あーー。どうしようかな。
じいさんには悪いけどこっちにしちゃおうかな。
と心の中で考えつつ、お兄ちゃん運転手と値段交渉を始めました。
しかし、やはりというか6000円より安くしようとすると渋い表情になり譲ってくれません。
おそらく、ピラミッド観光は鉄板ですから、外国人向けの相場ってもんがあるのでしょう。
その時、ある一つのアイディアが浮かびます。
( ^ω^ )<「あのさ、あそこにいるタクシーがあるでしょ。
あのじいさんも6000円で載せてくれるって言ってるんだけど、
もし同じ値段なら先に声かけてくれたじいさんの方に乗ろうと思うんだけどどうする??」
我ながら素晴らしい作戦である。競わせればよいのだ。
そうこうしてるうちにも爺さん運転手のタクシーが近づいてきた。
「んー。わかったよ。兄ちゃん交渉上手だね。5500円でどうだい?」
んー。もっと安くしろよ。と思うも値切ることには成功。
しかし、私の中の悪魔は満足しなかったのだ。
じいさん運転手のタクシーが戻ってきたのだ。
日本人という太客をとられると思ったのか、タクシーから降りて走って寄ってきた。
我つぶやく。
「ねぇ、じいさん。この若い兄ちゃんは5500円で載せてくれるって言ってんだけどどうする?」
この悪魔の一言で、事態は予想しない方向へと展開されていくのであった。
じいさんは顔を真っ赤にしてさらなる安値を提示したのです。
それに負けじと兄ちゃんも安値を提示・・・。
我、勝つる。
完全勝利の4文字が頭をよぎりつつも、表情には出さず成り行きを見届ける。
最終的に約1000円くらいの値段を兄ちゃんが提示する。
もうじいさんも兄ちゃんも正気ではない・・・。
でも・・・
でもでも・・・
安けりゃなんだっていいいんだよ!!
もうこの辺でいいだろうと判断し、じいさん運転手の肩を優しく撫でながら
「すまんね。兄ちゃんのほうに乗るわ。またな。」
って感じで別れを告げると、私の手をつかんでじいさんが少し離れた場所へ連れて行かれる。
じいさん曰く。
「いいか、日本人。流石にあの値段は安すぎる。冷静に考えろ。あいつはきっと知らない路地にお前を連れ込んで財産丸ごと奪うに違いない。俺を信じろ。」
確かにそのリスクはあるな・・・。
だが、お前も十分怪しいぞ!
しかし、じいさんの言うことも一理あるなと言うことで、友人と相談。
結果、じいさんの意見を採用することに。
理由としては、
最悪知らないところに連れてかれても喧嘩で勝てそうなのはじいさんだから。
これ結構大事よね。
と言うことで兄ちゃんには悪いがじいさんのタクシーに乗ることに決定☆
しかし、この理由というかニュアンスを英語で兄ちゃんに伝えるのはdifficultなので、「sorry」の一言でじいさんのタクシーに乗り込む。
今思えばこれが不味かったよなぁ・・。
当然、兄ちゃん運転手は納得せず車から降りてきて口論に。
じいさんと兄ちゃんが顔がくっつくくらいの距離で口喧嘩している・・・。
許せ若者よ。
この世は理不尽ばかりなのだから。笑
それから5分ほどしてじいさんが運転席に戻ってくる。
しかし、窓の外から兄ちゃんがバンバン叩きながら何か文句を言ってくる。
もう、めんどくさいから早く出発してくれ。
自らが引き起こした事態とは言え、このぐらいやらなきゃ安値は引き出せないってもんでしょう。
今までぼったくってきたお前らが悪いんじゃ。
と、自分位言い聞かせつつ、タクシーはギザに向けて動き出したのである。
ハイウェイからギザへ
ついに、渋滞の中カイロからギザへ。
いろいろあったけど待ちに待ったピラミッドへ!
( ^ω^ )<ウェーイ!!エジプトといえばピラミッドっっしょ!
否応なくテンションが上がります。
そして、間も無くしてギザへと続くハイウェイに乗りました。
当然、車はぐんぐんスピードを上げていきます。100キロ以上出ていたのを後部座席から確認。
しかし。
その背後からさらにスピードを出して近づいてくるタクシーが1台あったのです。
映画ばりのカーチェイス始まる。
明らかに動きが以上な1台のタクシーをバックミラー越しに確認。
まさかな・・・。
しかし、おじいさん運転手が露骨に舌打ちして言動がおかしくなったことで確信。
そう、
兄ちゃん運転手が追ってきたのである。
いや、追いかけてどうすんのよ!そんなことあり得る!?
と心の中で呟く刹那、
奴はもう隣にいたのである。
に、兄ちゃん。
窓から見える兄ちゃんの形相は鬼のそれを遥かに超えた、見たこともない怒りの形相。
そして、窓を開けてこちらに何か汚い言葉を投げかけている。
しかし、そこはベテランのおじいちゃん、全く意に介せず。
さすが、信じてよかったぜ。
しかし、それにさらに腹を立てた兄ちゃんが胸ポケットから何かを取り出したのである。
それが・・・。
マイナスドライバーー!!
そしてこちらの窓ガラスをガンガン叩いてきたのである!
すると、さっきまで冷静だったじいさんも顔を真っ赤にして怒り始める。
じいさん、落ち着いてくれ・・・。
そんな祈りも虚しくじいさんも胸ポケットから何かを取り出した。
マイナスドライバーーーーーーー!!!!!!!!!!!
なんで!???なんで持ってんの!?
エジプトでは普通なのだろうか。
そして、じいさんも負けじと相手の車をガンガン攻撃し始める。
どうなってんのまじで・・・。
とりあえず今の状況を冷静に振り返ってみよう。
その1:ハイウェイで100キロ以上で走ってる。
その2:もちろん他の車もめっちゃ走ってる。
その3:明らかにこっちの方が危険である。
その3について説明させてください。
ここはエジプト、車はもちろん左ハンドルです。
つまり、どういう状態かというと。
毎度、便所の落書きレベルですいません。
ですが、この状況わかります?
兄ちゃんはハンドルに手をやったまま左手を伸ばすだけでこっちのタクシーに攻撃できるんです。
しかし!!!
じいさんは、身を乗り出さないと隣の車に届かないんです!!!
だから、ほとんど正面を見てないじいさんにこっちはヒヤヒヤです・・・。
この時ばかりは神に祈るしかありませんでした。
もちろん、他の車を巧みに避けながらなので、右に左に体がゆさぶられます。
しかし、エジプトでは日常茶飯事なのでしょうか、妙にこなれた感じでじいさんが車を操るのです。
途中からは得体の知れない安心感すら感じました。
ピラミッド前に到着。
そんなこんなでハイウェイを降り、ピラミッドが視界に見えてきました!
しかし、もう1秒でも早く車から降りたいので専用の駐車場の手前で降りることに。
運賃を投げるように支払い、荷物を持って走って逃げました。
しばらくして、ピラミッドの入場ゲートの手前まで来ました。
すると、ラクダを引いた兄ちゃんたちが一斉に声をかけてきます。
「ジャパニーズ!せっかくピラミッドを見るんだ、ラクダに乗りながら見なよ!安くしとくぜ。」
もう待ってましたとばかりに話しかけてきます。
そして、こちらがふっかけるでもないのに勝手に価格の言い合いが始まったのです。
これは・・・。ヤバイ。
さっきまでのトラウマが発動し、振り払うように走って逃げます。
もう、ホテルに帰りたい。
というわけで、ピラミッドを目の前にして我々は中には入らずにスフィンクスの迎えにあるでお馴染みの・・・。
ケンタッキーとピザハット。
2階のピザハットで馬鹿でかいピザを食べてホテルに帰るのでした。
さらばピラミッド。
悔いはなくはないがもうお腹いっぱいです。
ということで、エジプト旅行記ピラミッド編でした。
今でも一緒に行った友人とこの話はトラウマになっています。笑
皆さんも価格交渉は慎重に。ありがとうございました。
この後行ったイスラエルの話はこちら。